第4章 明日に備える（跡部/宍戸）

「何やってんだ?お前」

めいこ「っへ?」

真後ろから声がして驚くと、そこには見知った顔があった。

めいこ「宍戸先輩?!」

宍戸「よー」

少しだけ笑って手を上げた先輩は、青のパーカーに緩めシルエットの紺色ズボンをはいていた。

めいこ「良かったー、先輩も打ち合わせだったんですね」

宍戸「何の話だ?」

めいこ「え?ぶちょーが打ち合わせがあるからジムに来いって...」

宍戸「俺らはもう試合のミーティングしたぞ?マネージャーだけ集まってんじゃねーか?」

めいこ「そうなのか...。じゃあ先輩は何しに?」

宍戸「俺はスポーツ用品店で買い物」

めいこ「ホント?!じゃあ付いてってもいいですか?あたしもそこに用事あるんですけど、場所が分からなくて...」

宍戸「おぉ、いーけどよ...」

めいこ「けど?」

ガシガシと頭をかく宍戸。

宍戸「その、なんつーか、誤解されねーか?俺といて」

めいこ「何のですか??」

宍戸「いや、ホラよ、なんか跡部に悪いっつーか...あいつに電話してもっかい場所聞いた方がいいんじゃねーの?」

めいこ「いや、それはやです。あたし電話苦手なんです。それになんか、からかわれそうだし...」

宍戸「ははっ!確かに」

めいこ「でしょ?!」

宍戸「じゃあまぁ、しゃーねー、一緒に行くか」

めいこ「やったー!先輩ありがとー!」

ピョンピョン飛び跳ねながら宍戸の後ろを付いていく。

宍戸「それにしても、お前学校とイメージ違うな」

めいこ「え?そうですか?」

宍戸「もっとこう、おしとやかかと思ったわ」

めいこ「おしとやか?!」

宍戸「普段あんま喋んねーし、今日の格好もボーイッシュだしよ。意外っつーか」

めいこ「それはあれです、人見知ってるだけです。格好は慌ててそのまま出てきちゃって、あはは〜ｗ女子っ気ないですよね」

宍戸「そうか？俺はそういう格好、良いと思うぜ」

めいこ「あ、ありがとうございます。なんか照れます」

宍戸「ははっｗｗ」

ものの数分で、目の前に大きなスポーツ用品店が見えた。

宍戸「着いたぞ」

めいこ「でっかー...」