第32章 【番外】皆に応援される夢(多数)
めいこ「すごーい!効き目すごそう!ありがとう!」
樺地「……ス」
夢なのに!めっちゃ皆に応援されとる!!
今度はポケットの携帯が鳴った。
忍足先輩からメールだ。
『明日の試験、頑張ってな👍
努力した自分を信じるんやで
落ちついて問題解けば、大丈夫や』
めいこ「ふふっ」
皆に応援されて、私は幸せものだなぁ。
まあ、夢なんだけど!!!
樺地「跡部さんが…呼んでいました。屋上で…」
めいこ「え?ぶちょーが?」
また教室を出ると、直ぐ隣に階段があった。
上まで登って扉を開けると、庭みたいに植物いっぱいの屋上。
めいこ「うわぁー!」
吸い寄せられるように進むと、ビシャリと冷たい水が少し身体にかかった。
「わっ!ごめんよ和栗さん!」
慌てて駆け寄ってきてくれたのは、ホースを持った幸村部長。
めいこ「幸村部長まで!!」
「あららら、大丈夫かいな」
横のベンチに座っていた白石は、すかさずポケットからタオルを出すと、めいこの頭や顔を拭いた。
めいこ「ふぐぐ、すいません、私も気づかなくて。ところで、跡部ぶちょー知りませんか?」
幸村「跡部、部長?誰だろう。白石知ってる?」
白石「さあ、俺も知らんなぁ」
めいこ「えっ!だってさっき樺地君が!!あれっ?!」
ぶちょーはこの夢に居ない設定なの?!
うそ、やだ、余計会いたくなっちゃうじゃん。
1番応援して欲しい人なのに、だって、だってさ…
めいこ「ぶちょぉぉお!!」
叫んだ途端、視界が真っ暗になって身体がグワンと歪んだような感覚が起きる。
あれ、横たわってる?
「どうした、心配しなくてもここに居るぞ」
え?
声の方向に首を向ければ、跡部が椅子でくつろぎながら、優雅に本を読んでいる。
どうやらここは部室らしい。
何でここにいるんだっけ?
跡部「部活日誌を書いたまま寝てたぞ、疲れてんのか?」
めいこは安心して涙ぐむと、両手を伸ばした。
めいこ「…ん」
跡部「あん?」
めいこ「ダッコ…」
跡部「何だ、甘タレだな」
跡部は笑いながらめいこの横までいくと、膝をついた。
優しく両腕で抱き締めると、ゆっくりとキスを落とす。
跡部「俺様が居なくなった夢でもみたのか?」