第29章 付いてくならトコトン(跡部/千石)
千石「あ、ごめんごめん。めいこチャンと話したくてついつい…ってそーだよさっきの何?!跡部くんに言い寄られてたの?!恐喝でテニスマネージャーやってんの?!」
めいこ「おぼぼぼ…」
両肩を凄い勢いで揺すられた。
あーキヨ先輩の肩越しは良い入道雲ですなぁー…。
千石「めいこチャン?!」
めいこ「あ、え、はい、マネやってます」
千石「いつから?!」
めいこ「中2」
千石「この前の大会同行してた?」
めいこ「あい」
千石「んだよぉー!俺いるじゃんめっちゃ居るじゃん!何で言ってくんなかったのぉおお!キヨスミアンラッキー!」
千石は木に向かって打ちひしがれた。
めいこ「すいません、まさか居るの知らなくて」
千石「氷帝に馬がいたって壇君に聞いたくらいしか情報ないよー」
めいこ「あ、それあたしだ」
千石「えぇえ?!」
めいこ「友人に他校とフラグ立たないようにって、意味不明な理由で被らされてました」
千石「あー、うん…俺のフラグも立たなかったね」
千石は青い空を見上げた。
飛行機雲ができている。
めいこ「でも恐喝でマネやってるんじゃなくて、友人に誘われてたんです。それで、迷ってたときにキヨ先輩と再会して、楽しそうにテニスしてる姿みて、うちの学校の人達も、陰ながらサポートしてみたいなって思って…」
千石「めいこチャン…」
千石はじぃ〜んと胸が熱くなった。
めいこ「あと、あの…誰にも言わないで欲しいんですけど…」
めいこは小声でちょいちょいと千石を手招きすると、屈んだ千石の耳元で話した。
めいこ「ぶちょーと、この間から付き合ってます」
千石「はっ?!」
めいこ「だから、その…」
千石「俺も好きなんだけど?!」
ど?!…ど?……ど………do……(エコー)
めいこは顔を真っ赤にさせて、口がポカーンと開いたままだ。
近距離の千石も、顔がみるみる赤くなった。
千石「あぁ〜!!こんなタイミングで言うはずではー!!」
今度は「orz」の体制になって千石は煮えたぎるアスファルトに打ちひしがれた。
千石「キヨスミブレイクンハーtっっ!あつっ!!」
めいこ「わー!もう先輩バカー!」