第29章 付いてくならトコトン(跡部/千石)
めいこ「なんか、このままぶちょーが部活来なかったら、寂しいなって」
鳳は「うん」と一度受け止めてから、でもさ、と切り出した。
鳳「跡部さんは、日吉に部長としての引き継ぎをしっかりしてから、引退するんじゃないかな」
めいこ「確かに。宍戸先輩も、ちょっと休んで気分が切り替わったら来てくれそう」
鳳「僕もそう思うよ」
めいこ「でもいつかは、居なくなっちゃうんだよね」
鳳「そうだね…」
ズーーン
日吉「おいやめろ、辛気臭い」
日吉が鬱陶しそうな顔で、トンボをかけながら通り過ぎていった。
めいこ「あ、ピヨ氏よ、そこは我がトンボをかけたぞよ」
日吉「何っ?!これでか?おまけになんでこんな蛇行してるんだ」
めいこ「えっ?!」
後ろを振り返ると、確かにウネウネとしていて、かかってない場所があり、日吉が綺麗にかけ直して行く。
日吉「和栗のヘッタクソ」
めいこ「あんだって?!」
鳳「和栗さん、さっきボーっとしてたからじゃない?」
日吉「コイツがボーっとするのは、今に限ったことじゃないだろ」
めいこ「そんなボーっとしてないっつーの!」
日吉「いや、お前昼飯食ってる時、大概頭から湯気出てんのかってくらいボーっとしてるぞ」
めいこ「してないっつの!」
鳳「逆に、日吉は昼飯の時に、和栗さんをよく見てるってことだよね?」
日吉「なっ!そんな見てるわけないだろ」
日吉は少し慌てて言い返した。
日吉「動きが変だからな…」
めいこ「動きが変?!」
めいこは聞き捨てならないセリフに、思わず立ち止まる。
だからトンボがけが上手くいかなかったのだろうか。
気をつけねば。
日吉「…たまたま視界に入ってくるだけだ」
モゴモゴと言ったセリフは、めいこにはよく聞こえなかった。
鳳「ふーん?…日吉には負けたくないなぁ」
日吉「何にだよ」
慎重にブラシをかけ始めためいことは反対に、足早にトンボをかけていく2人は、随分と遠いところに行ってしまった。
めいこ「あああっ!待ってたもー!」
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石山「で、その後どう?」
ゆゆかと帰りに寄ったマックで、2人ポテトを摘んでいる。