第26章 レポート書いてたはずです(財前/跡部)
財前は困惑した顔を浮かべる。
財前「ジェネラルて、大将とか将軍て意味やなかったか?」
めいこ「うん、そうだよっ!あたしゴキさんのことそう呼んでんの」
めいこは何故か得意げに頷いた。
こいつ英語あんま出来ないんとちゃうか?と思う財前だった。
カブトムシを先程の幹にとまらせようとすると、めいこに腕を掴まれた。
めいこ「あちょっとまって、またそこ置いたら今度こそホントに食べられちゃうよ」
財前「ほんならどないする?」
めいこ「とりあえず、ひとまず、保護しとこ」
財前「虫苦手やのに?」
めいこ「でもなんか、ほっとけないじゃん?」
財前「お、おぅ...なんかめいこ、かわいーな」
めいこ「はっ?!」
めいこは、こいつイキナリ何言ってんだ?、みたいな顔をして首を傾げる。
財前「いや、健気やなぁ思て」
めいこ「?...はぁ」
やっぱりイマイチ分からなかったので、曖昧な返事をしてしまった。
ひとまずこのカブトムシを入れる箱を探すため、先程通り過ぎた小さなスーパーまで戻ることにした。
店員に訳を話すと心よく聞いてくれ、大きなプラスチックタッパーの空き容器と、それを入れるビニール袋をくれた。
めいこ「ちょっとぶちょーに相談してみる」
財前「部長?」
めいこは近くのベンチに座ると、跡部に電話をかけた。
めいこ「あ、もしもしぶちょー?今電話いいですか?あのですね...」
財前はその様子を横でみて、めいこが嬉し恥ずかしそうに話しているのに気がついた。
財前「ふーん」
めいこが話し終わると、財前はさり気無く聞いてみた。
財前「部長て、なんや、彼氏?」
めいこ「ややや、違う違う、ただのテニス部、部長ってだけ!」
めいこは照れながらそう言う。
財前「え?めいこ女子テニやっとるんか?」
めいこ「うーうん?男子のマネージャーやってるだけだよ?」
財前「そうなんか。俺はやってんねん」
めいこ「え?財前君も?」
財前「も?」
めいこ「いやー、なんか最近知り合う友達、テニスやってる人多くてさー。今めっちゃ流行ってんのかな?はははっ」
財前は返答に困った。