第26章 レポート書いてたはずです(財前/跡部)
めいこはキョトンとした顔で財前を見上げた。
めいこ「ん?」
財前「持つわ」
めいこ「えぇっ?なんか無駄なもん入れてるからめっちゃ重いよ?!」
財前「そんなら筋トレに丁度ええわ」
財前はヒョイとバッグを肩に担ぐ。
めいこ「えぇっ?...あ、ありがとう」
ちょっと恥ずかしかったが、素直に甘えておくことにした。
しばらく歩くと、樹液の出ている木に蝶がとまっているのが目に入る。
めいこ「おおっ!あれはオオムラサキでは?!」
財前「ほー、綺麗やなぁ」
2人とも近寄って蝶をまじまじと見ていると、突然頭上からガサッガサガサガサッと、何かが落ちてくる音がした。
ガサガサドサッ!
めいこ「うわびっくりしたっ!」
財前「何や?」
目の前に落ちてきたのは、黒光りの固まり。
めいこ「...カブト...ムシ?」
財前「にしちゃでかいで」
ひっくり返ってバタバタしているのだが、なんというか、角が太いような?
ふと回りを見ると、カブトムシが既に2匹ひっくり返っており、一匹は動かない。
気が付かなかったが、付近はカブトムシのバラバラな亡骸でいっぱいだ。
めいこ「うひっ!」
上で、カラスがカァッ!と鳴いた。
めいこ「もしかして...カブで遊んでた?もしくは、食べようとしてた?」
財前「かもしれんなぁ。ここでよく食うてたんかもな」
それならこの付近に沢山落ちている亡骸も理由がつく。
財前「けど何や?このカブ...ごっつ」
財前が角を持つと、それは見たこともない大型のカブトムシだった。
素人目にみても、まず日本のカブトムシではないような気がする。
仮に日本のものだったとしても、ここら辺では見られない。
めいこ「どっかから逃げちゃったのかな?」
財前「...いる?」
めいこ「いらない!!」
突き出されたカブトムシを前に、即答で首を降る。
財前「あれ、さっき蝶平気そうやったのに」
めいこ「ちょうちょはさ、怖くないじゃん!」
財前「はぁ」
めいこ「いやカブトムシもさ、実は小さいとき飼ってるくらい大好きだったんだけどさ、ある時からなんか駄目んなっちゃって!あの...羽広げた時の背中が!!ジェネラルGにソックリじゃん?!」
財前「ジェネラル?」