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【テニプリ】まずは友達から

第26章 レポート書いてたはずです(財前/跡部)


めいこ「まぁ、そうか」

めいこが急ピッチでレポートを進めていって数分後。

財前「ほい時間切れ〜」

めいこ「ええっ?!まだ30分たってな…」

ふと財前の目の前にあるデザート皿を見ると、既に空っぽだった。

財前「ほな行くでー、日が沈んでまうわ」

めいこ「えぇ〜?!」

あともうちょっとで終わるのにぃ〜!

財前「の前に、ちょいトイレ」

めいこ「あ、うん」

行ってるスキに片さねばと、机に散らばったものを鞄に詰め込み、レシートを掴もうとしてハタと手を止める。

あれ?2枚とも無い?

財前「お待たせ、ほな行こか」

めいこ「え、あの、レシート??」

財前「あぁ、観光案内賃っつーことで」

めいこ「え?あ、ありがとう」

なかなかに、なかなかに財前君が掴めない!!
でもなんか、こういうのに女子ってトキめくんじゃないかな。

と思っているめいこも少しトキめいていた。

駅前へボチボチ歩きながら、この辺はどうだとか、大阪はどんなだとか、そんな他愛もない話しをする。
財前の言葉数は少ないが、ちゃんと「せやんなぁ」「そやな」なんて相槌を打ってくれるので、自ずと会話が弾んだ。

しばらく歩くと、交差点に林が見えてくる。

めいこ「ここから遊歩道に入るんだー」

財前「あぁ、これが江戸時代の?」

めいこ「うん、そう」

遊歩道に入れば木々の緑が影を濃くし、優しい風が通り過ぎていった。
額に滲んだ汗を手の甲で拭いながら、空気をいっぱい吸い込んだ。

めいこ「はぁー、涼しー!」

財前「せやなぁ、静かやわ」

左は道路を挟む歩道だが、めいこ達の歩く小川を挟んだ反対側は、古い住宅が木々の中にポツポツと立っているだけだ。
鳥のさえずりが、ふわふわと漂ったように時々聴こえてくる。

めいこ「でしょー。あたしここ、子供の頃から好きなんだ。生き物いっぱいいるし、キノコとかお花とかいっぱいあるし!」

財前「え、なに?タヌキでも出るんか?」

めいこ「あははは!さすがにこの辺じゃタヌキは出ないけど、でももっと奥の、東京じゃないとこまで行くと居るんだってー」

財前「へぇ、そない続いとるんかここ」

そう言いながら、財前はめいこの手からヒョイと荷物を取った。
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