第22章 夏の職業体験!(跡部)
下までボタンを外し終わると、筋肉質の素肌がチラリとみえて心臓がはねた。
慌てて背後に回ると、そっぽを向きながらYシャツを脱がせ、背もたれにかかったスポーツウェアをぶっきらぼうに頭にかぶせる。
めいこ「もう今日だけですからねこんなことするの今日だけですからね!」
跡部「なんだ、しばらく泊まり込みじゃねーのか?」
もそもそと自分で腕を通しながら、跡部は肩越しに振り返る。
めいこが乱暴に被せたせいで、常時完璧なヘアーが乱れている。
少し目を見開いた表情は、いつもよりずっと少年にみえた。
また心臓がドキリと大きく波打つ。
めいこ「っっはっ?!やだ!夏休み中ぶちょーの下僕とかやだ!」
跡部「何だ人聞きの悪い」
めいこ「とにかく、1日体験ですからね」
跡部「分ーかった」
仕方ねーなと両手を少し上げ、肩をすぼめた。
めいこは自分の胸元を擦り、深く息を吐いて何とか気持ちを落ち着けようとしたが、なかなか静まらない。
跡部「その代わり...」
跡部はゆっくりと立ち上がると、めいこの額に人差し指をつけた。
跡部「完璧なレポートを提出するように」
めいこ「うぐっ!」
跡部「ホラ、次はズボンだ」
めいこ「ぬっ!ぬっ!!...トイレ行ってくるですわ!」
めいこは逃げるように走って部屋から出ていく。
それを見た跡部は、手の甲で口元を押さえながら、楽しそうに笑うのであった。
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