第22章 夏の職業体験!(跡部)
めいこ「....跡部...サマ」
跡部「あーん?ここにいるのは跡部ばかりだぜ?」
確かにそうであった。
そして私は今、メイドさんなのであった。
しかし強制的に本人に言わされると、何故か不本意な気持ち。
めいこ「ケイゴサマー」
仕方なく答える。
跡部「様は余計だが...まぁいい」
っていうか、何でここに来たんだろう。
メイド長さんが、今はテニスコートにいるからって教えてくれたのに。
めいこ「はなしてよー」
力では及ばないので、脱力して講義する。
跡部「手荒な真似は好きじゃねーんだが、こうでもしねーとまた逃げるだろ」
めいこ「バレてたの?!」
跡部「ちょこまかと小犬のように動くのは、うちのメイドにはいねーからな」
めいこ「ちょこまか?!」
確かに隠れたけど!
でも一生懸命働いてたもぉおん!
跡部「で?お前は今日1日、何をコソコソ隠れてこんな格好までしてんだ?」
めいこ「...しょ...職業体験ですぅー」
跡部「.!!...クッ...ッッッ」
めっちゃ笑ってる振動が肩に伝わってくるんだが。
両肩から手もどけられ、どうやら変な誤解は解けたらしい。
いや、誤解も何もからかわれているだけのような...。
めいこは口を尖らせながらゆっくり起き上がり、髪の毛とエプロンを整えた。
跡部はベットに腰掛け、めいこの胸元にあるリボンをツツっと手に取る。
跡部「可愛いじゃねーの」
めいこ「で、ですよね!あたしもこの制服気に入ってて...」
跡部「ばぁーか」
めいこ「ばかぁ?!」
跡部「仕事は済んだのか?早くやんねーと、どうなっても知らねーぞ」
めいこ「なんっ!だって!ぶちょーが!」
プンスカプンスカという効果音が見えるようだ。
ベットメイキングは終わっていたのだが、めいこは先程付いてしまったシワをピッシリと直した。
めいこ「できましたぁー」
跡部「まずまずだな」
めいこ「さっきは完璧だったもん!」
跡部「ま、俺様のベットに免じて許してやる」
めいこ「えっ?!ここぶちょーの部屋なの?!」
跡部「なんだ、聞かなかったのか?」
めいこ「いや全く」
跡部「...メイド長もお人が悪い」
跡部は苦笑する。