第22章 夏の職業体験!(跡部)
めいこは思いつくままに、ポツリポツリと経験したいことを言っていった。
ミカエル「かしこまりました。後日、形だけの最終面接と、制服の採寸をしたいいのですが、明日はいかがでしょうか」
めいこ「はいっ、大丈夫です!」
ミカエル「では、明日8時にお待ちしております。採寸した後に、何事も無ければそのまま業務について頂きます。道はお分かりになりますか?」
めいこ「はいっ!よろしくお願いします!」
って勢いよく言ったんだけど、結局あの後芥川先輩に電話で道順聞いたんだよねー。
めいこ「うわバナナの木みたいの生えてる!!」
目の前には3階分以上あるのではないかという、バナナの木、みたいなものが生えていた。
以前来た正門の庭もすごかったが、裏門側もハンパない庭だ。
もはやジャングルである。
すると、その影からクスクスと笑い声がした。
思わず出てしまったセリフをまさか他の人が聞いていたとは。
めいこは顔を真っ赤にさせながら、とりあえず挨拶しようと歩み出た。
ホースを持って水を上げているその人物は、いつも通りのスーツを着たミカエルさんであった。
めいこ「お、おはようございます」
ミカエル「おはようございます。これは、ココスヤシというのですよ」
めいこ「へ、へぇーっ」
ミカエル「では、ご案内いたします」
ミカエルさんは慣れた手付きで素早く、でも丁寧にホースを巻くと、奥に進んでいった。
もしかして、水あげの仕事をしながら、私のことを待っていて下さったとか?
案内された部屋には黒いワンピースにエプロン、頭にはヒラヒラカチューシャをつけた年配のメイド長さんがいらっしゃって、小さなソファに向かい合いながらいくつか質問されると、直ぐに合格と言われた。
メイド長、東方の咲夜さんじゃなかった...。
横で待機していたもう1人のメイドさんは、素早く私の3サイズをメジャーで測ると、隣の部屋へ消えていった。
ミカエル「制服は昨日、身長と体重をお聞きして用意しましたので、いくらか詰めれば大丈夫なようです。出来上がるまで少々お待ちください」
めいこ「は、はい」
ミカエルさんとメイド長さんも会釈すると、部屋を出ていってしまった。
控室というには広すぎる空間にポツンと1人、めいこだけ。