第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
不二「これ、さっきの写真。渡しておくね」
めいこ「ありがとうございまふ!」
めいこはビシっと敬礼して写真を受け取った。
不二「まさか…さっきのケーキに入ってたブランデーで酔ってるわけじゃ無いよね?」
めいこ「えー?酔ってないですよぉー?ウヒャヒャ」
不二「大丈夫かな…」
このまま無事家に帰れるのか、少し心配になる不二であった。
不二「家どっちの方かな?送るよ」
ちらりと横を見れば、めいこは誰かに電話をかけている。
めいこ「へいセバスチャン!お迎えに来ておくんなまし!」
跡部『俺様はタクシーじゃねぇ』
酔った勢いで跡部に電話をかけていた。
めいこ「ワタクシは今お嬢様よセバス!少し足が疲れたの!」
跡部『バーカ、疲れてんのに外ほっつき歩いたせいだろうが』
トレーニング後のシャワーから上がったばかりだった跡部は、タオルで頭をふきながら話していた。
めいこ「バッ!バカって言ったほうがバカなんですのよバーカ!」
跡部『お前、何でそんなにハイなんだ?』
めいこ「セバース!」
跡部『仕方のねぇやつだ。…かしこまりましたお嬢様、ミカエルがお迎えにあがりますので、現在地をお教えいただけますか』
少し呆れながらも、こんな戯れ方をしてきためいこが可愛いと思ってしまった跡部は、セバス設定にノったのだった。
めいこ「グハッ!」
めいこはめいこで、イケボなセバスにノックアウトしていた。
めいこ「ごめんなさい冗談です!勢いでつい、ありがとうございます!では!」
跡部「あーん?」
めいこが通話を切ると、先程からかすかに漏れていた聞き覚えのある声に、不二は呟いた。
不二「もしかして、跡部かな?」
めいこ「違うよ!セバスチャンだよ!」
不二「フフフ、セバスチャン、ね。あの跡部が…フフッ」
ますますめいこに興味が湧いてくる不二であった。
めいこ「ところで不二先輩はこの後どうするんですかー?」
不二「うーん、特に考えてないかな。和栗さんは?」
めいこ「あたしはそろそろ帰ろっかなーって!長居しちゃうと色々買いたくなっちゃうし、本を早く読まねばだし」
不二「なら、駅まで送るよ」