第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
めいこ「ふぅううん!先輩ずるいっ!そんなこと言われたら負けちゃうじゃん心が!」
不二「素直に生きた方が楽だと思うけど。何にするの?」
めいこ「うううう!オペラ!」
めいこは迷わずに言う。
そう、オペラという名前の、コーヒー風味の生地とチョコレートが何層にも積み重なっているデリシャスなケーキがあるのだ!
コーヒーはまだ飲めないけど、コーヒー風味は好きなのだ!
不二「分かった、伝えておくよ」
めいこ「ありがたき...」
めいこは不二の後ろ姿に手を合わせた。
わくわくしながら待っていると、携帯のバイブが短く鳴った。
誰かからメールだ。
題名が『忍足やけど』。
めいこ「は?」
いやいやメールアドレス教えてないんですが。
『日吉に教えてもろた。
登録よろしゅう。
ところで昨日買った本読んだ?』
めいこ「日吉君かい、まぁいいけど....」
めいこは返事を打つ。
『びっくりしました。
まだですよー』
直ぐに返事がくる。
『早う読んでな、めっちゃ語りたいねん』
『先輩読むの早っww頑張ります』
そこでめいこのテーブルに、ケーキのオペラがドリンク付きで運ばれてきた。
めいこ「不二先輩ドリンクセットにしてくれたんだ!」
長方形のオペラは、表面がピカピカにチョココーティングされ、真ん中にはちょこんと金粉がのっている。
めいこは角から丁寧にフォークを入れると、ゆっくり口に運んだ。
はぁああ〜!幸せじゃ〜!
じゅわりと口の中で溶けていくチョコムース。
後味は、少し香りのある苦味が残った。
あ、これは、結構、お酒強めに入ってるかも。
でもこれがいいんだよねー!
めいこはあっという間に、ペロリとケーキを平らげた。
不二「お待たせ」
写真を受け取りに行ってくれた不二が帰ってきた。
めいこ「はぁーい、おかえりなさーい!」
不二「あ、もう食べ終わっちゃったか。残念、食べてるとこ見たかったな」
めいこ「えへへー!美味しかったです!ごちそさまっした!」
不二「...なんか、さっきよりテンション、高い、かな?」
めいこ「そりゃそっすよ!オペラで幸せですもん!」