第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
今までいたデパートと駅はほぼくっついていて、1階出口のすぐ横には電車の改札口がある。
それらが並ぶ、天井付きの通路両側は、それぞれ道路や住宅街に繋っており、1つを南口、もう片側を北口とされていた。
めいこ達は改札前で、別れの挨拶をする。
めいこ「それじゃまた!」
不二「うん、ホントに気をつけて帰ってね」
めいこ「あい!」
不二「フフッ、楽しかったよ、また遊ぼうね」
めいこ「はーい!」
お互い手を振りながら不二は左の改札へ、めいこは右の改札へ入ろうとすると、電話がかかってきて足を止めた。
めいこ「はいはいはい?」
跡部『俺だ』
めいこ「イブッ!」
着信画面、全然確認せずに軽い返事とともに取ってしまった。
やっちまった!
めいこ「今も先程もとんだご無礼を...」
跡部『それは後で覚えておくが、そろそろ南口で待ってろ。ミカエルが着くはずだ』
めいこ「はっ?!」
跡部『あーん?迎えを寄越すよう言ったのはお前だろ?』
めいこ「いやあのそうなんですけど、あれはジョークというか、っていうか何故場所が?」
跡部『このあいだ盛大な迷子になって、GPSアプリみたいなの承諾してから入れただろ、忘れたか?』
めいこ「うっ、はいそうでした」
跡部『お前が万が一良からぬところに行ったら、一発でバレるから覚悟しておくんだな』
めいこ「いや怖い怖い!っていうか行かないし」
跡部『これも部長の務めだ、悪く思うなよ』
めいこ「さっきからセリフが怖い!」
そんな話を終え、南口の階段を下りていく。
間もなくして、通りから黒くて大きな車が脇に止まった。
お偉いさんが乗るようなやつだ。
それを皆、ギョッとした顔をして通り過ぎていく。
居たたまれなくなっためいこは、扉が開いたのを見計らって素早く車内に乗り込んだ。
ミカエル「お帰りなさいませ」
めいこ「ごっ!ごめんなさい、ホントに迎えに来ていただいて...」
ミカエル「いえ、それが私の務めですからお気になさらず」
めいこ「は、はい」
でもいたたまれない!何かお礼、お礼...。
そう考えためいこは、ある事を思いついた。
--【第19章 休日の過ごし方】END--