第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
めいこは口を尖らせながら、ティーカップをいじった。
めいこ「酷いッスよね、皆わりとお金持ちなのに人の飲むとか」
そのうちの1人はとびぬけての大金持ちだが!
不二「皆、和栗さんのこと好きなんだね」
めいこ「えー?!いやいやからかわれてるんですよ!」
手をブンブンと振って思い切り否定する。
不二「確かに、それもあるかもしれないけど...」
めいこ「ほらー」
不二「ねぇ、間接的じゃなくて、本当のキスしてみる?」
めいこに顔を近づけながら、不二はそっと声を落とした。
めいこ「っ?!」
突拍子もない言葉に、驚いて声も出ない。
どんどん近づいてくる不二に、めいこは肩を強張らせた。
不二「僕、見ちゃったんだよね。映画館で跡部にキスされてるとこ」
うぉおおおおお!
めいこは恥ずかしさのあまり、体中が熱くなるのを感じた。
めいこ「いやあれはスキをつかれてからかわれて別に付き合ってるとかじゃなくてっていうかただの儀式です!」
早口で喋るめいこの最後の一言に、不二はキョトンとした顔をする。
不二「儀式?」
めいこ「いや何でもないです、忘れてください」
慌てるように紅茶を飲み干しためいこをみて、不二はまた笑い出した。
不二「ほんと、君って面白いね」
めいこ「ぅうう」
またからかわれてるぅうう
めいこは赤くなり過ぎて、顔が汗ばんできていた。
不二「付き合ってないんなら、じゃあ、いずれ、ね」
めいこ「えっ?何が?」
不二は楽しそうに笑うと、腕時計をみた。
不二「和栗さん、あと何か頼むものはある?」
さっきのはどういう意味だったのかと気になりつつも、めいこはデザートメニューを横目に挟む。
めいこ「...いえ、特に。ダイジョブです」
本当はデザート食べたかったけど、現像代でいっぱいいっぱいなんだよね!
不二「本当に?デザートとか食べなくていいの?奢るよ」
めいこ「ぐっ!」
不二「そろそろ写真も出来上がってる頃だし、取りに行ってくるよ。デザート食べて待ってて」
そう言うと、不二は立ち上がった。
不二「もし体型のことを気にしてるんだったら、後で一緒に運動しようか」