第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
不二「へぇ、もしかして彼氏さんとか?」
めいこ「いやいやいやまさかまさか」
めいこは笑い飛ばして紅茶をグビリと飲んだ。
と思ったら、隣のコーヒーを飲んだらしい。
めいこ「ゴッホッ!」
苦さに咳き込むと、不二はめいこの背中を摩りながら、グラスに入った水を渡してくれた。
不二「大丈夫?フフッ」
慌ててゴクゴク3口ほど飲み、フゥーと大きく息をはいた。
めいこ「はぁ、びっくりした、ありがとうございます」
不二「昨日も思ったけど、結構おっちょこちょいさんなのかな」
めいこ「ぬ」
不二「なんて。さっき紅茶とコーヒーの位置を入れ替えておいたんだよね」
めいこ「えぇえ!いつの間に!」
不二「でもコーヒー飲んだときの顔、想像以上に最高だったよ」
めいこ「ナニソレェエ!」
不二が肩を揺らしながら笑ったのをみて、めいこは半ベソになって肩を落とした。
不二「ごめんごめん、なんか和栗さんのそういう表情、そそるんだよね」
めいこ「そそる?!」
不二「うん、昨日の映画観てた時もさ、恐怖でビクビクしたり、涙目になって僕に必死にしがみついてくるところなんか...ってあれ?どうしたの?」
めいこはシェーのポーズで両耳を器用に塞ぎ、目をギュッと瞑っていた。
めいこ「アーナニモキコエナーイ」
不二は薄っすらと目を開けて微笑んだ。
不二「ホラ、またそういう顔してる」
【カシャッ】
めいこ「はっ?!」
シャッター音に驚いて目を開けると、不二がこちらにカメラを向けていた。
不二「うん、いいのが撮れたよ」
めいこ「ヤダー!めっちゃ変な人じゃんあたし!」
不二「え?違うの?」
めいこ「がぁああん!」
何故だ?!先輩、昨日は超絶紳士だったような?!
不二は紅茶を手に取ると、1口飲んでからめいこの前に置いた。
不二「はい、どうぞ。これで2人とも関節キスだね」
めいこ「アハハ、た、確かに」
めいこはまた紅茶をちびりと飲んだ。
不二「あれ?これにはあんまり照れないんだね」
めいこ「あーうーん、慣れてるといいますか、部の人達によくペットボトルを強奪されるというか...」
不二「へぇ」