第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
お互いのカメラを交換して、写した写真を見ていくことにした。
不二「へぇ、和栗さんはミラーレス一眼なんだね」
めいこ「はい。仕事で使わなくなったからって、おじさんから頂いたんです」
不二「すごいや。僕もいずれ買いたいと思ってるんだけど、もう少しデジカメで練習してからにしようかなって」
めいこ「そう!あたしもそうでした!最近までデジカメで練習してたんですけど、せっかく頂いたから直ぐ使おうかなって」
不二「なるほど。どう?一眼って」
めいこ「いやもう楽し過ぎて!ミラーレスでそんなに重くないから気軽に持って歩けるし、今まで撮りたかった写真に近いものを残せるというか!」
不二「へぇ、ますます欲しくなっちゃったな」
そう言いながら不二はコーヒーを啜った。
めいこ「いやいやデジカメもすごいですよ!10万ほどの一眼に匹敵するデジカメもありますから!あれはあたしの中でお父様カメラと命名してます」
不二「ハハハッ!和栗さんて好きなことだと早口になるんだね」
めいこ「ハッ!すいません、マシンガントーク過ぎました...よく友達に注意されるんです」
ションボリと肩を落とすめいこを、不二は興味深そうに眺めた。
不二「そんなことないよ。僕は、好きだけどな」
めいこ「あ、あざーっす」
少し照れためいこが横を向くと、不二は鞄をガサゴソとあさり、何かを取り出した。
めいこ「えっ眼鏡?!」
実は少しばかり眼鏡フェチであるめいこは、不意を付かれてドキっとしてしまった。
不二「うん、ブルーライトカット用。デジタル画面を見てると、どうも目がしょぼつくんだよね」
そう言って目にかけたのは、少し大きめの黒縁眼鏡。
くあーっ!似合いすぎている!直視できない!
それから2人はしばらく無言で、お互いの写真をみていた。
不二「自分の試合してる時の写真を見るのも、客観視で何だか面白いね」
めいこ「ブレブレですいません!あはは!」
不二「臨場感があって僕は好きだけど」
めいこ「前向き解釈あざーっす」
さっきも同じような事言ってたけど、不二先輩って好きを連呼する人なんだろうか。
めいこ「でも先輩、誰かに撮られたことって無かったんですか?」