第19章 休日の過ごし方(跡部/不二)
言われた通り、めいこはちょこんと隣の椅子に腰掛けた。
顔を上げたとき何気なく覗いた画面には、淡いピンク色の花が、耳のように左右に咲いたサボテンの写真があった。
めいこ「か、かわいい〜!」
不二「フフッ、そう言ってもらえると嬉しいな」
めいこ「この子、不二先輩のサボテンちゃんなんですか?」
不二「そうだよ。この間花が咲いてね。サボテン科マミラリア属のブーリーって言ってね」
めいこ「へぇ、ブーリーちゃん!」
不二「サボテンの中でも、結構綺麗な花が咲くので有名なんだ」
めいこ「確かに、めっちゃ可愛いですね!いやー、サボテンも好きなんですけど、奥深くてもう覚えられませんもん」
不二「フフフッ、僕だって全部は覚えられないよ。ところで、サボテンもってことは、他にも何か好きなの?」
めいこ「実は、多肉ちゃんと薔薇がもう今ハマってまして。あ、紫陽花も結構キてます!」
不二「へぇ、植物も好きで、カメラも趣味って、僕達結構気が合うかもしれないね」
めいこ「かもですね!」
好きなことを語りだすと、めいこは若干ハイテンションになるのであった。
不二「せっかくだし、お茶しながらお互いの写真を見せ合うっていうのは、どうかな」
めいこ「おお!いいですね!」
さっきまで取っ付きにくい気がしたのに、共通の話題が出来てグッと距離が縮まったような?
不二も注文書を出すと、2人は本屋の階にある小さいカフェへ行くことにした。
午前中ということもあり、カフェに居る人はまばらだった。
左の壁は全てガラス張りで、遠くの景色まで良く見える席が並んでいる。
右はゆったりとしたソファ席が連なっていた。
不二「突き当りのソファ席でもいいかな」
めいこ「はい、だいじょぶです」
不二はさり気なくめいこを誘導してくれた。
不二「奥の席、どうぞ」
めいこ「ありがとうございまーす」
ソファの席へ腰掛けると、向かいに座ると思っていた不二が横に座った。
しかもめっちゃ詰めてきた!
コツンとお互いの膝が当たる。
めいこ「隣ですか?!」
不二「あぁホラ、太陽でカメラの画面が反射しないほうが見やすいでしょ?それに、隣の方が映像確認しながら話せるし」
めいこ「た、確かに」