第18章 【過去】ニャン月ニャンニャン日にて(千石)
めいこ「そうですかー?普通ですよー!」
千石「それに指も長いし!」
めいこ「あははは!」
ううーん、めいこチャンなかなか手強い...。
2人はメニューを頼み終えると、個室外の大きなフリースペースで他の猫とも遊ぶことにした。
始めは同じ猫とゆっくり戯れていたが、テンションの上がっためいこは、釣り竿のようなおもちゃを手に、いつの間にか千石から離れて遊んでいた。
追っかけたい衝動にかられるけど、ここは戻ってきてくれるまで我慢我慢...。
ふと足元を見ると、少しグレーがかった白猫が、じゃらしを咥えながらこちらを睨んでいた。
千石「お前目つき悪いなー、はははっ、ウチのテニス部にいる誰かさんみたい」
その猫を抱いて、元の個室で遊んでいると、見えないところまで行ってしまっためいこが、小走り気味にこちらに戻ってきた。
頬を少し赤らめながら、手を振っている。
めいこ「キヨさーん!」
これだけで既に可愛いと思ってニヤけた千石だったが、なんと彼女の頭には茶色の猫耳がついているではないか。
千石「何それどしたの?!」
めいこと千石は別の意味でお互い興奮気味で、捲し立てるような早口になった。
めいこ「店員さんに貸してもらったんですけどこれすごくないですか?!感情で耳が動くんですよ!」
そう言ってる間にも、猫耳はピクピクと角度が変わって動いている。
千石「あああかわいいかわいいほんとかわいい!」
思わず両手でギュッと抱き寄せると、バランスを崩しためいこは千石の座っている席に倒れ込んだ。
めいこ「うおっ」
席に片膝をつき、ほとんど千石の上に乗るような形になった。
近距離でお互い目が合うと、ハタと今の状況に気づく。
めいこ「ちょちょちょちょ!」
千石「わぁああ!ごめんごめん!」
顔を真っ赤にして慌ててお互い離れると、めいこは向かい側に座り直した。
千石「ごめんほんと、かわいさのあまりついつい...」
千石は背中を丸めて机に突っ伏した。
めいこチャン、ちっちゃくて華奢っぽいのに、ちゃんと女の子のフワフワだぁああああ!
めいこ「い、いいですよ。彼氏彼女のフリ中、ですもんね」
ソッポを向きながら、唇を少し尖らせている。
千石「ホント?!」