第18章 【過去】ニャン月ニャンニャン日にて(千石)
顔だけ上げると、めいこは耳を赤くしてボソボソと言う。
めいこ「で、でもちょっとビックリした」
それをみた千石は、再び背中を丸めて机に突っ伏した。
千石「あぁあ〜猫耳の破壊力!もうストップ!そういうことされるとおさまらないから!」
めいこ「な、何が?!」
千石「なんでもない!」
めいこは必死な千石をみて、クスクスと笑いだした。
めいこ「千石先輩、もしかしてコッチが自ですか?」
千石「へ?」
めいこ「格好つけより、あたしヘタレの方が好きです」
無邪気な笑顔にまたドキっとする。
千石「ヘタレ?!え、好き?!」
めいこ「あ、変な意味じゃないですよ、友達としてですよ」
めいこは両手を振って慌てて付け足した。
千石「え?あ、うぅん、あぁ、うん...」
千石がドギマギしていると、広場でカランカランとベルが鳴った。
猫の小さなショーが始まるのだ。
めいこ「あ、始まるっぽい!」
めいこはまた走って行ってしまう。
千石「あー、ホント好きになっちゃいそー」
遠くなった背中に、ポツリと呟いた。
その後、入室してから1時間がたったので、めいこ達はそろそろ帰ることにした。
めいこ「今日はありがとうございました、楽しかったです!」
千石「よかった!こっちこそありがとぉー♪」
めいこ「また、行きましょうね!ニャンコカフェ!」
千石「うんうん、是非そうしようね!...あ、ところでさ」
めいこ「はい?」
千石「さっき格好つけよりヘタレ、って言ってたけど、跡部君はどうなの?好きじゃないの?」
めいこ「へ?何故跡部先輩?..あーうーんー、格好つけさんっぽいですけど、かといって嫌いでもないんですが、といってもあんまり話したこと無いから何とも...」
千石「へぇ!氷学だからてっきり跡部君が好きかと...」
めいこ「えぇえー」
千石「それなら俺にもまだチャンスあるよね?」
めいこ「へ?」
千石「覚悟しといてよね。んじゃ、またねめいこチャーン♪」
千石は手を振りながら、上機嫌に走って帰って行った。
めいこ「テニス部の人って、元気だなぁ...」