第18章 【過去】ニャン月ニャンニャン日にて(千石)
ウィンク付きの決め顔をしたが、めいこは目の前の猫に夢中だった。
めいこ「猫カフェって、こんな感じなんですか?」
千石「いやー、ここは特別なんだよねー」
千石はチャンスとばかりに、さり気なく次の約束に繋がる話題を切り出した。
千石「実はさ、ここの系列でもう一箇所あってね、そこはもっとお城みたいになっててすごいんだよ!」
めいこ「へぇ!行ってみたい!」
千石「オッケー!んじゃあ、次会うときはそっち行ってみる?」
めいこ「はい!よろしくお願いします」
千石「おっ?以外にアッサリオッケー出してくれたね」
めいこは目をキラキラさせながら、テーブルの上にいる猫を撫でている。
めいこ「せっかくだし、今度は友達も連れてきていいですか?」
千石「え?...うーん」
千石は頬のあたりをかいて、少し悩む。
それから前のめりになって、攻めの微笑を浮かべた。
千石「俺はめいこチャンと2人っきりで会いたいかなぁ」
めいこ「へっ?」
猫に夢中だっためいこは、やっと千石の方に顔を向けた。
素っ頓狂な声と表情にあまり手応えを感じなかったので、逃げのセリフを挟む。
千石「なんちゃって!うん、いいよーいいよ、今度は友達も連れておいでよ♪」
めいこ「やったぁ♪」
千石「じゃあ、フリフリする?」
千石はスマホをポケットから取り出し、目的の画面を手慣れた感じでタップした。
めいこ「フリフリ???」
しかし、スマホを持っていないめいこにはサッパリであった。
千石「あ、やった事無い?スマホを出しあって振ると、連絡交換が簡単にできるシステムなんだけど...」
めいこ「あー、あたしガラケーだからできないです」
千石「えっ?!そうなの?!」
めいこ「はい」
千石「今時珍しいねー。でも俺、古風な子も好きだなー」
めいこ「HAHAHAHA」
お世辞と受け取っためいこは笑い流した。
千石「じゃあ俺のスマホにメアド入力してくれる?後で連絡するよ」
めいこ「はーい」
素直に従ってスマホを受け取ると、なれない手付きで入力していった。
その間に、千石は伏せ目がちのめいこをまじまじと観察する。
千石「へぇ、まつ毛長いんだね」