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【テニプリ】まずは友達から

第18章 【過去】ニャン月ニャンニャン日にて(千石)


めいこは薄茶色のジャケットに赤いネクタイ、そしてグレイッシュのチェックスカートに濃いグレーの靴下、という姿。
どの服で行こうか迷った上げく、最終的にめんどくさくなって制服で来たのだ。

千石「うんうん、やっぱ氷帝の制服もかわいーよねー♪君、名前は?」

めいこ「...和栗、です」

一瞬名乗るのをためらったが、まぁ中学生同士だからいいかと思うことにした。

千石「違う違う、名字じゃなくって名前ー」

めいこ「あ、えっと、めいこです」

千石「めいこチャン♪んじゃあ、カップルのフリしてる間は下の名前で呼ぼう!どう?」

うーーーん、悪い人じゃないみたいだし、まぁ、こういうのも面白いかなぁ。
いっちょノッてみるか!

めいこ「よ、よろしくお願いします」

めいこは軽く頭を下げた。

千石「やったー!俺ラッキー!」

千石はバンザーイと手を上げて喜ぶと、ビルの方にスキップしていった。
そこでふと、肩からテニスバックを下げていることに気がつく。

千石「どうぞ、レディーファーストだよ」

優しい笑顔と、慣れた手付きでドアを開けてくれた。

町中で会った職業病のホストさんみたい!照れる!

めいこ「ど、どうも」

こういう扱いに慣れていないめいこは、少し千石が格好いいと思ってしまうのであった。

めいこ「あ、そうだ、実はあたし、クーポン持ってまして」

カバンから出したクーポンチケットを千石に渡した。

千石「おっ♪じゃあ、2重サービス受けられるねー♪ありがとー!」

めいこ「いーえー」

階段を前に、千石は躓いたときに支えられるよう、さり気なくめいこの後ろに回った。

千石「この先ちょっと長い階段なんだ、大丈夫?」

めいこ「はいっ!筋トレですね!」

めいこは力こぶを作ってみせる。

千石「あははは!頼もしいや」

無機質な階段を何段か登っていくと、かわいい黒板で案内が書かれていた。
また何段か登ると草花が飾られ、猫の置物もあった。
少しづつ、床も人工芝になってきていた。

千石「ここだよ」

3階分登って少し息切れしためいこが顔を上げると、まるで本物の木の幹に扉がついているようだった。

めいこ「なっ!なにこれすっごー!メルヘン!」
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