第17章 恐怖か恋のドキドキか(忍足/跡部)
忍足「ワック?あぁ、ワクドかいな、まぁええか」
めいこ「えっ!略し方違うの?!」
めいこ達は駅前のワクドナルドに入っていった。
2人はカウンターで注文すると、忍足は電話をかけに店の外へ出た。
親御さんに電話かな...。
ぼんやりその様子をガラス越しに見ていると、自分達の注文番号が読み上げられる。
2人分の食事が乗ったおぼんを、よしこい!
と、中腰のガニ股で受け取ろうとしていたところに、忍足が少し慌てて中に入ってきた。
忍足「あーあー、ええからええから、俺が運ぶわ」
やんわりとめいこからおぼんを取ると、奥の席へ歩いていった。
めいこ「こんくらい大丈夫ですぅー!」
忍足「危なっかしいねん」
めいこ「信頼されてない感...」
忍足「ッフ、ちゃうちゃう」
忍足は少し困ったように笑うと、静かにおぼんを置いた。
忍足「どうぞ、召し上がれ」
めいこ「いっただっきまーっす!」
お腹が空きまくっていためいこは、手をパチンと合わせると、無言でバクバク食べ始めた。
そんな様子を、忍足はジッと見ながら食べている。
忍足「ンッフッフ、和栗チャン、ソースついとる」
めいこ「ふ?」
ハンバーガーを口いっぱいに頬張っためいこは、口元を触ってソースを拭おうとする。
忍足「反対やで」
忍足は手を伸ばしてめいこの右頬を親指で拭うと、そのまま舐め取った。
忍足「うん、このソース美味いなぁ」
めいこは突然の色っぽい仕草に、真っ赤になってしまった。
めいこ「そ、そういうのは彼女とやってください!」
忍足「ん?そういう相手はおらんで」
めいこ「いや今いなくても将来やってくださいっ!もうっ!」
そう言ってハンバーガーに再び噛りついためいこは、プンスカ!プンスカ!という漫符が見えそうである。
忍足「和栗チャンにだけ世話焼きたくなるねん」
めいこ「完全子供扱い!!...もう、ぶちょーと仁王先輩は犬みたいとかいうし。つまりあれですか!あたしゃ子犬かなんかなんですか!」
忍足「あぁ、お手」
すっと手のひらを出され、思わずそこに手を重ねてしまう。
めいこ「ってオイッ!」
忍足「確かに、子犬ってピッタリの表現やな」