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【テニプリ】まずは友達から

第17章 恐怖か恋のドキドキか(忍足/跡部)


あ、と言って不二は何か思い出したようだ。

不二「そういえば、さっき手塚が冷却スプレーの礼をしたいって言ってたな。代わりに僕から言おうかな、ありがとね」

めいこ「あぁ!いえー、お気になさらずー」

はにかみながら、頭の後ろをかいた。

桃城「そぉーだ!この後カラオケ、一緒にどッスか?」

さっきまで映画のせいでどんより気味だった宍戸だが、桃城が声をかけるといつもの明るい口調に戻った。

宍戸「おっ!いーじゃねーか!のった!」

2人はお互い肩を組んで、どこのカラオケ店にしようかとさっそく盛り上がっている。

越前「俺パス」

桃城「えーちーぜぇーーん!そんなシケたこと言うなよなぁ?!」

越前「今、不二先輩と桃先輩の映画に付き合ったじゃないスか」

桃城「かーっ!それはそれ!これはこれだろーが!」

不二はその横でクスクスと笑っているだけで、助け舟を出すつもりは無いらしい。

宍戸「長太郎?お前はどうする?」

宍戸は側を歩く長太郎に声をかけると、少し考えた素振りをみせてから、ウンと頷いた。

鳳「宍戸さんが行くなら、行こうかな」

向日「俺は行かねぇ」

忍足「俺も遠慮しとくわ、ちょっと本屋寄りたいねん」

滝「めいさんは?カラオケ行く?」

さっきの映画が嫌でも脳内再生されていためいこは、自分に話題が振られたことに少し驚いた。

めいこ「っえ?あたし居なくてもよくない?」

桃城「そういうこと言うなよぉー!」

まるで犬のクーン!という声が聞こえてきそうな顔だ。
跡部はというと映画館の前に車を呼んでいたようで、既に奥には爆睡中の芥川と樺地が座っていた。

跡部「乗るか?」

脇にいためいこは声をかけられると、首を思い切り横に降った。

めいこ「だだ大丈夫ですっ!というかあたしもちょっとあっちの本屋に用があってー!」

とっさに思いついたことを、映画館へ行く道中で見つけた小さい本屋の方角を指差しながら言う。

忍足「ほんなら、俺と一緒に行こかー」

めいこ「はーい!おねがいしまーす!」

日吉「不安ですね」

忍足「安心しぃ、ちゃんと送ったるさかい」

何故か肩に手を置かれたが、あまり気にせずにそれぞれ軽く挨拶をしてから、皆とは逆の方向に歩き出した。
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