第16章 【番外】進路願望はKC!(海馬/跡部)
髪型もなんかちょっと変わって、大人っぽいし...。
海馬「何だ、そんなに気になるのか」
めいこ「えっ?!」
首の後ろをグイッと引き寄せられ、顔が近づく。
めいこは持っていたお盆を咄嗟に顔の前に出した。
海馬「...何故だ」
めいこ「近いです近いです」
海馬「キスなど、見られて困るもんでもなかろう」
めいこ「きっ...?!困りますー!」
海馬「フンッ、お前らがどういった関係であっても、所詮俺の相手ではない。敗北するのは貴様の方だ!フハハハハ!」
めいこ「ちょっともー!やめてくださいよー!」
防音室をいいことに、ガラス越しの跡部に向かって好き勝手言っている海馬。
さん。
っていうかこの夢でのあたしの立ち位置って何なのよ!!
跡部「お待たせしました」
にこやかな顔をした跡部が戻ってきた。
さっきのは気づいてないんだろうか。
めいこ「では、後ほど」
ペコリと会釈して退散しようとすると、海馬に「待て」と止められた。
海馬「何のために3セット頼んだと思っている」
つまりあれか、跡部と知り合いだろうが知り合いじゃなかろうが、あたしは社内見学係だったわけですね?
雑談中はココで待機なんですね?
なんで?
会社同士の情報交換が横で行われる中、めいこは海馬の横でお菓子をモクモクと食べつつ、高層ビルからの景色を眺めていた。
跡部「では、そろそろ見学に行ってまいります」
海馬「あぁ、ゆっくりしていくといい」
めいこは先程の茶菓子をお盆に乗せ、社長室を後にした。
めいこ「まさかぶちょーがこんなところにいるなんて...」
跡部「それはお互い様だろ」
給湯室のドアを後ろ手に締めながら、そんなことを言う。
お茶セットを見様見真似で片付けていると、後ろからそっと抱きしめられた。
何だか懐かしい香水の匂いがかすかにする。
って懐かしいって何だよ自分!
あと匂いも感じる夢ってすげーな!
跡部「めいこ」
めいこ「なっ、なんですかー」
軽めに言ってみても語尾が震えてしまうし、心臓はバクバク言ってるし!
だってだって、スーツの大人なぶちょーとか卑怯なんですけど!
跡部「こっち向けよ」
めいこ「...」
くいっとアゴをつかまれて、もう逃げようがない。