第16章 【番外】進路願望はKC!(海馬/跡部)
めいこ「...はい、分かりました」
給湯室どこだよ!
まぁいいや、夢なんだから社員のフリを楽しもうじゃないか。
レッツ脳内社会見学!
幸い、オフィスを出て直ぐ隣の部屋が給湯室だった。
なれない手付きでお茶っ葉を入れ、お湯を入れる。
めいこ「うあっつ!跳ねた!」
何とかお茶を用意し、隣に置いてあったお菓子を皿に並べる。
カタカタと音を立てながら、慎重にお盆を運んだ。
あ、これじゃドア開けられないじゃん。
ドアの前で呆然と立ち尽くす。
「あ、まってまって、開けるね〜」
後ろから耳元あたりでパッツン切りにした可愛い女の子が、ドアを開けてくれた。
めいこ「ありがとうございます」
多分、この人はあんずちゃん、ですね?
「そっちに取りに行かなくても、社長室横の給湯室から行けばよかったのにー」
え、そっちにもあったの?!...まぁいいや、夢だし。
楽しもう楽しもう。
ちょっとお盆にお茶を零しつつ、(入れ過ぎた)社長室前についた。
コンコンッとノックをする。
海馬「入れ」
めいこ「失礼いたしま...す」
長椅子にはあの海馬瀬戸、向かいにはグレースーツを着こなした跡部景吾が座っていた。
めいこ「ぶちょぉお?!」
跡部「よう」
さもあたしがここにいる事を既に知っていたような口ぶりだった。
海馬「なんだ、知り合いか」
跡部「えぇ、中学時代同じ学校でしてね」
ぶちょーが敬語!!っていうか海馬が目の前にいる!カオス!
海馬「ならば話が早い。和栗、後で社内を案内してさしあげろ」
めいこ「え、あ、へぇ...あ、お茶どうぞ」
跡部「ありがとよ」
慣れない手付きでそーっとお茶を降ろす。
海馬「和栗!溢れているではないか!」
めいこ「はいすいません入れ過ぎました!」
跡部「クックック、いいですよ、昔からですんで気にしません」
めいこ「うっ」
海馬「それでは困る。後でみっちり教えてやるから覚悟しておけ」
めいこ「ううううー」
そのとき、跡部の携帯が鳴った。
跡部「ん、ちょっと失礼します」
跡部は社長室を静かに出て、すぐ横で話している。
携帯を持つ手は以前よりも骨ばっていて男らしい。
ううう、スーツかっこいい。