第15章 【番外】思わぬお年玉(仁王/跡部)
めいこ「おわっ、あったかーい」
仁王「じゃろ、両方にカイロを入れてきた」
めいこ「なるほど!」
仁王「どれ、じゃーこのままブラブラ歩きながら家まで送ろうかの」
めいこ「え!いやいや大丈夫ですよ帰れますよ?!」
ふざけて仁王のポケットに入れたままの手を引っこ抜こうとすると、ギュッと強く握られた。
仁王「だーめじゃー」
めいこ「な、なんでじゃー」
仁王「極度の方向音痴なんじゃろ?」
めいこ「ど、どこでそれを...」
神社から出ると、これからお参りに行くであろうおばあさんが、ニコニコしながらこちらを見ていた。
「あら、若いカップルさん、お2人で初詣いいわねぇ」
めいこ「あ、あはははっ」
めいこは照れ笑いを浮かべ、仁王は軽く会釈してからすれ違った。
めいこ「に、仁王先輩、やっぱこれカップルだと思われるからやめましょ?!」
構わず歩き出した仁王は、ニッと笑った。
仁王「でもあったかいじゃろ?」
めいこ「そ、そうですけどぉおお」
仁王「めいこの手が温まったら離してやってもいいぜよ」
めいこ「ぬぅー」
諦めて歩いていると、めいこの携帯バイブが鳴った。
めいこ「ん?ぶちょー?何だろ」
仁王「...」
めいこは、まだ少しだけ苦手な電話にでた。
めいこ「はい、もしもし?」
跡部『よう、今いいか』
めいこ「はい、あの、どうしたんですか?」
跡部『いや、特に用は無いんだが、めいこの声が聞きたくなった』
めいこ「ほえっ!!」
真っ赤になっためいこをみて、仁王は少し悪戯してやろうと思った。
めいこ「で、でも昨日会ったじゃないですかー」
跡部『それがどうした、今日は会ってねーだろ』
めいこ「そうですけ、ど?!」
跡部『どうした、コケたか』
仁王はポケットの中で、めいこの手の平を指先でなぞっていた。
突然のくすぐったさに驚いた声を上げる。
めいこ「コケてない!ちょちょちょちょ!ふぁっ」
今度こそ手を引き抜こうとすると、逆に指の関節を擦られてから手を絡められてしまった。
いわゆるカップルつなぎだ。