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【テニプリ】まずは友達から

第14章 気分転換しましょう(跡部/不二)


上映が終わり明るくなった館内で、桃城は立ち上がりながら率直な感想を述べた。

不二「フフッ、そうだね。呪縛霊とか、ゾクゾクしたよね」

桃城「余裕で笑ってたじゃないスか!」

跡部「おい。おい和栗、いつまでそうしてるつもりだ」

めいこはというと、不二と手を握り、越前の帽子を仮面のように被って跡部の肩を掴んでいた。

めいこ「スーッハーッ」

忍足「お嬢ちゃんがホラーやん」

背もたれ越しに、忍足は冷静なツッコミを入れた。

めいこ「はぁーっ、怖かった、ヤバかった」

桃城「おいおい大丈夫かぁー?」

桃城はそんなめいこの顔を覗き込む。

越前「うわ、ちょっ!」

その様子を見た越前は、驚きと恥ずかしさで慌ててめいこの顔から帽子を引っ剥がし、自分の頭に深く被せた。

越前「こんな汗臭いの、顔に被んないでよ」

めいこ「ぜ、全然気にならなかったよ、おかげで妖怪から守られたよありがとう!」

「「妖怪出てきてないじゃん」だろ」

越前と日吉のツッコミが重なり、お互い睨みつけたかと思ったら、次の瞬間にはプッと笑って視線をそらしていた。

あれ?さっきより柔らかい空気なような。
映画の力ってすごいな!

めいこ「はぁー、不二先輩もありがとうございました」

不二「フッ、どういたしまして」

ずっと握ってもらっていた手を放し、立ち上がった。

めいこ「あの、ご、ごめんなさい、なんか手、汗ばんじゃってません?」

手をパタパタと降って乾かしてみる。

不二「そう?手から感情が伝わってきて、すごく面白かったけど」

めいこ「さ、さいですか、それならばよかったです」

照れて下を向くと、前の座席からグオーーッという、一目ならぬ一耳瞭然の音が聞こえてきた。

跡部「オイ、誰かジローを起こしてやれ」

その声に、掴みっぱなしだった肩口をパッと離す。
マトモに顔が見れないまま、不二の席側から通路に出た。
爆睡中の芥川を皆で揺すったり、声をかけたり、まつ毛だけさわってみたりしたが、「うーん、殺さないでぇ」と物騒な寝言しか返ってこなかった。
試合の疲れもあったのだろう。仕方がないので樺地が芥川を肩に担いで館内を後にした。

__【第14章 気分転換しましょう(跡部/不二)END】__
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