第14章 気分転換しましょう(跡部/不二)
鳳「宍戸さん、離れちゃいましたねー」
宍戸「そーだな」
鳳「宍戸さんっ!がんばってください!」
宍戸「なっ何をだ!」
向日「樺地、お前の席あそこなー」
樺地「ウス」
文句を言いつつ着々と自分の席に座っていく中、めいこだけは解せぬ...と、自分の席を見下ろしていた。
ずっとパンフレットを熱心に読んでいた跡部は、ふと顔を上げる。
何だこの人、意外と楽しみか。
それとも予習してから徹底的に観たい派か。
めいこは自分の席前に立ったままだ。
跡部「どうした和栗、俺様の横でいいだろ」
めいこ「えっ」
今回ばかりはちょっと嬉しくなっためいこ。
滝「ごめん景吾君、さっきあみだくじのようなもので席を決めたんだよ」
跡部の右側に座る滝は、すまなそうな顔をする。
跡部「フッ、そうか、なら自分の運命を恨むんだな」
めいこ「なんか無駄に格好いいこと言ってる」
跡部「ところで、ジローはどうした」
「「あ」」
※作者も気づかず席順決めていた。
向日「やべぇ完全に忘れてた」
向日はガシガシと頭をかく。
宍戸「さっきまで一緒じゃなかったか?」
忍足「そういやじゃんけんの時おらんかったなぁ」
日吉「フードブースには並んでましたよね」
鳳「またどっかで寝ちゃってるんでしょうか」
めいこ「あ、じゃあ、あたし探してきま...」
そう言って急いで振り向くと、ドンっと誰かにぶつかった。
「おっと」
めいこ「あ、ごめんなさっ」
「ううん、君こそ大丈夫?」
あれ?この青と白のジャージって..とめいこが見上げると同時に、あーっ!と氷帝陣の何人かが声を上げた。
前方にはハンサムな、目を細めて優しく笑う少年。
サラサラな薄茶色の髪は、少し目と耳にかかる長さだ。
跡部「不二周助..」
不二「あれ?跡部達、奇遇だね」
そういえばこの人、さっき芥川先輩と戦ってなかった?!
不二はニコニコしながらめいこの左隣に座った。
って隣かいっ!
「ちーっす」
「あれっ?さっきぶりっすね!」
今度は右側の席から声がする。
同じく青と白のジャージに帽子、大きな猫目の少年は、黒い短髪は無造作のようでいて、どこかきまっている。
めいこよりも背が低いか、もしくは同じくらいだった。