• テキストサイズ

男子校の女王様。

第9章 肉を切らせて骨を断つ


「お散歩しません?」

サヘルくんはお散歩という可愛らしい響きに、拍子抜けした表情を浮かべる。

「お、お散歩ですか?」

わたしは微笑んで点頭く。

「ええ」

サヘルくんは表情をぱあっと明るくする。

前のめりに首を縦に振る。

「もちろん!一緒にお散歩したいです!」

わたしは微笑し、背を向けた。

「そうですか、じゃあ学園に戻りましょう」

返事を待たずに歩き出す。

サヘルくんが慌ててわたしを追う。

「え?お、お散歩するんじゃないんですか?」

「はい、校内を一緒に歩きませんか」

サヘルくんは横に並び、納得した様子で笑む。

「そっか、それもいいですね!ぼくなんて生徒なのにあんまり学園内をうろつかないし、紗都先生もまだ全部は知らないですよね……丁度いいかもしれませんねっ」

嬉しそうなサヘルくんに対し、わたしは意味を含ませた笑いで応えた。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp