第2章 窮鼠猫を噛む

「超可愛いよ？オレ、マジで好きかも」

「え、あ……あ、の」

荒っぽい息遣いで、にじり寄ってくる。

永夢くんはわたしに覆いかぶさり、

「ね、オレといいことしよー？」

胸元に手を回した。

永夢くんが膨らみをまさぐろうとした瞬間、

「調子、乗んなッ！」

わたしは反射的に片膝を突き上げていた。

「うッぐ！？」

永夢くんの腹部に膝小僧がめり込み、ベッドから転がり落ちる。

床に寝転がったまま腹部を両手で抑え、苦悶する。

「いッ、づ……！」

わたしはハアハアと大きく息を吐く。

ようやく呼吸を整え、永夢くんを冷めた目付きで見下ろす。

可愛い顔して、もしかして前からこんなことしてたんだろうか。

ため息をついた。

額に髪の毛が張り付くも思ったように手を動かせず、歯痒い。

「調子乗んないで下さいよ、子供の癖に」

わたしはベッドから下り、

「い、ッ……え、え……？」

足裏をぴったりと永夢くんの股間に重ねた。