第6章 魚心あれば水心
「んぐ、ぅ……ッ」
サヘルくんはぴゅっぴゅっと潮を噴きながら、床に下半身をついた。
「ぁ、あ……何、これぇ……」
サヘルくんは恍惚とした顔でぼんやりと呟いた。
腰をかくかくと震えさせ、陶酔しきっている。
わたしは自身の体液にまみれたサヘルくんを振り返る。
ひくひくと脈打つ濡れた下腹部。
汗で湿った上半身。
わたしは身体を下げ、
「わたし全然怒ってないですよ。むしろ、可愛かったです」
サヘルくんのおでこにキスをした。
萎んだ性器がぴんと反応し、上向きに立ち上がる。
可愛い。
サヘルくんが薄目を開ける。
「あ……せん、せい……」
わたしは微笑み、髪を撫でた。
「先生、先生……」
わたしにそっと抱きつこうとするサヘルくんを手で制す。
腰を上げ、ドアに向かって歩き出す。
「ストッキング、約束通りあげますね。ビチャビチャだから、もう使えないかもだけど」
「ん、ぁ……紗都せんせっ、行っちゃう、の……?」
「もっと可愛がってあげたいですけど、仕事がありますから」
「先生……!」
わたしは後ろ手にドアを閉めた。