第6章 魚心あれば水心
「男の子、なんですね」
意味ありげに言うと、サヘルくんは恥じらいに顔を歪めた。
「ぼく紗都先生の脚が綺麗で、生脚見てたらどきどきして……紗都先生に悪いって思ったけど、すっごくえっちな気持ちになって」
わたしは苦笑いした。
「そんな、キレイなんかじゃ」
「綺麗ですっ!」
サヘルくんは大きな声で言い張った。
わたしはきょとんとサヘルくんを見る。
サヘルくんは申し訳なさそうに顔を紅潮させる。
「あ、お、大きい声出したりして、ごめんなさい……」
おどおどした雰囲気も、申し訳なさそうな顔も、こちらの支配欲を刺激する。
さっきからわたしの拍動が煩い。
身体が熱くて、舌なめずりをした。
立ち上がり、サヘルくんの隣に座る。
「あ……」
「いいですよ、サヘルくんはわたしの脚が好きなんですね」
サヘルくんは首肯いた。
「じゃあこれ、あげますから」
「えッ」
わたしはストッキングを指先で持ち、布地をサヘルくんの目の前で広げた。
さらさらした肌心地の薄手の生地が伸びる。
サヘルくんはぽかんとした顔でその光景に見蕩れる。
わたしはくすっと微笑み、顔を傾けた。
「今わたしの前で使ってみてください」