第37章 酒は詩を釣る色を釣る
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永夢くんが達したのを見届け、わたしは三人の前に立つ。
三人が悲喜交々の表情でわたしを見る。
「聖くんが最後まで我慢できたんですね?」
微笑を浮かべ、優しく顔を傾ければ聖くんはこくんと頷いた。
「あ……ああ」
わたしは聖くんの顎を掬い取るようにして持つ。
視線を上向きに持ち上げれば、聖くんの熱っぽい視線とぶつかる。
「ご褒美、何にしますか?何でも言う事きいてあげますよ」
こくりと喉仏を動かし、浮かされたようにわたしを見つめる。
「……し……したいっ……」
熱い吐息混じりに、頬を赤らめて言葉を紡ぐ。
「貴方と、紗都先生と、最後まで……セックス、したい……」
わたしは頷き、
「分かりました」
聖くんの顎から手を離す。
「でもその前に……」
時雨先生の置いていった紙袋を手に取り、残った二人の方に顔を向けた。