第37章 酒は詩を釣る色を釣る
「あっ、あぁっ……だ、だからって!こん、なの……っ」
「……僕だって……」
聖ちんが囁くような声音でそう呟いて、意味ありげに口角を上げた。
熱っぽい吐息が耳の裏にかかる。
オレは目を見開いて荒く息を吐き出す。
「はあっ……はあぁっ……」
聖ちんの悪戯っぽい表情に、無意識のうちに反対側へと腰を逸らしてしまう。
「お前らと同じだからな、指をくわえて見てるつもりはないよ……」
舌先が耳に触れ、丁寧に舐め回されていくと腰ががくがくと震え始めた。
✱
「うぅうう……ッ!い、嫌、だって、マジでシャレになんないってえ……聖ちん、オレ、無理だってえ……」
半泣きで身体を揺らす永夢を冷めた目で見ながら、随分と久しぶりな他者への愛撫を繰り返す。
永夢の細身で締まった上半身が汗ばみ始め、四肢がぴくぴくと震えた。