第37章 酒は詩を釣る色を釣る
予期せぬ刺激に背筋が跳ねる。
「ちょっ、と……聖、ちん、何、なんで……っ」
オレは顔を後ろにやり、聖ちんを睨む。
聖ちんはオレの訴えを意に介する様子もなく、唇で耳たぶを食んだ。
ぞわっとした感覚が走り、足の動きが止まる。
「ひ……!」
オレは細い声を漏らし、身体を捩る。
「っ、と……ッ、そんなの、やめっ、て……」
聖ちんがふっと笑い、耳の際に舌を這わせていく。
びくんと腰が跳ね、小さく声が溢れる。
思わず紗都せんせーを見てしまい、顔が熱くなる。
「ふぅうっ……ぁ、待って、聖ちん、ほんと……」
「お前を先に潰した方が楽だと思ったからな……」
聖ちんがぼそっと言い、耳たぶをゆっくりと食む。
ゾワゾワとした感覚が全身に込み上げ、身を攀じる。
唇で優しく何度も噛まれる度、背筋が震える。
身体を動かすと拘束具が軋み、口の端から息が漏れ出した。