第37章 酒は詩を釣る色を釣る
丸木戸がドアを閉めると、俺はずる、と椅子に凭れ込む。
何もしていないのに息が上がって、口端が持ち上がる。
俺はパソコンを起動させ、モニターを食い入るように見つめる。
ダンスレッスンルームに仕込んだ隠しカメラが映す景色に見惚れながら、布越しに硬くなったモノを撫で付けた。
✱
わたしはダンスレッスンルームのドアを開く。
そこには、裸で目隠しにヘッドホン、拘束具を着けた三人が立ち並んでいる。
わたしはまずサヘルくんの前に立ち、ヘッドホンに手をかけた。
サヘルくんの身体がピクッと跳ね、小さく吐息を漏らす。
足先が床に擦り合わせるように動く。
ヘッドホンを取ると、赤らんだ耳が顕になる。
立て続けにゆっくりと目隠しを外した。
「っ……」
サヘルくんは先程の指示通り、ぎゅうっと目を閉じたまま、口もしっかり噤んでいる。
わたしは薄く笑い、サヘルくんの所から永夢くんの所へと歩き出す。
同じようにヘッドホンと目隠しを取り去る。
永夢くんは部屋の眩しさに軽く顔を顰めるも、目を瞑ったまま静かに立っている。