第35章 商人の嘘は神もお許し
「……どうしましたか?」
「オレ、もっと頑張る、から、頑張るからっ……オレだけ見てて欲しい、辛い……っ」
「嫉妬しちゃったんですか?」
そう訊ねると、永夢くんは首を縦に振る。
甘ったるいおねだりと少し苦しげな喘ぎ声を入り乱れさせ、上目でわたしを見る。
時雨先生とはまた違い、見栄も外聞もなくひたすらに求めてくる姿に母性本能が擽られる。
こくっと唾を飲み込む。
同時に、嗜虐心も酷く唆られていた。
「でも、ダメです」
永夢くんの唇に人差し指を当て、笑顔で言葉を封じる。
「う……っ」
ふにっふにっと唇の感触を味わうように指先を押し当て、そっと外す。
「少しだけ大人しくしてて下さいね……少なくとも、今日は永夢くんだけを可愛がることは出来ませんし、しません」
わたしはスカートの中に手を入れ、
「紗都ちゃんっ……」
下着だけを脱ぐ。
ゆっくりと腿から引き下げて、
「口、開けてください」
「えっ、ン、んんッ!ん、ふっ……!」
永夢くんの口に丸めた下着を突っ込んだ。