第35章 商人の嘘は神もお許し
「アッ、こっ、れっ、ン……ッ」
「これで静かにできますよね」
わたしは永夢くんの頬を撫でる。
「ちゃんと我慢しないとコックリング取ってあげませんし、また目隠ししちゃいますよ?」
「んっ、んぐッ、わ……あっ、た……」
永夢くんはとろんとした目でもごもごと半開きの口を動かす。
「んあ……ッ!」
ふっふっと鼻で息をしながら、哮り立った逸物をびくんと揺らした。
「時雨先生」
時雨先生を呼ぶと、熱を帯びた目でわたしを見つめる。
「もう一回膝立ちしてください、両手は頭の後ろに」
時雨先生は曲がった背筋を伸ばし、ベッドに両膝をつきわたしの前に立つ。
そろそろと後頭部で両手のひらを重ねて組み、
「……こう、か……」
腰を前に突き出した。
尻尾がベッドに垂れ、頬を染める。
薄く唇を噛み締めて荒く呼吸をしている。