• テキストサイズ

男子校の女王様。

第33章 水に燃え立つ蛍


永夢くんは困り顔で笑い、人懐っこい笑みをこちらに向けた。

「でもまあ、割となんでもできるっていうか、苦手なことはあんまないってだけ」

爽やかに言い放つ永夢くん。

わたしは永夢くんの肩に手を置き、わしゃわしゃと揉む。

「それが羨ましいって言ってるんですよー」

永夢くんはわたしの言葉に笑顔を保ったまま、眉を下げた。

「ん~……でもさ、だからオレ我慢も苦手だし、思い通りにいかないのも慣れてないんだよね」

「…………」

予期せぬ返事に黙っていると、更に言葉を続ける。

「我慢強くなりたいなあ、余裕持ちたいなあって、すっごい思う」

「そうですか……、そんなに我慢ができるようになりたいんですか」

「うん、そうだね~……最近の悩みかなあ」

永夢くんはぼんやりと言葉を吐く。

わたしは考え込む様子の永夢くんを見つめ、

「それ、本気ですか?」

優しく問いかけた。

永夢くんの目が見開き、うっすらと頬が赤くなる。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp