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男子校の女王様。

第33章 水に燃え立つ蛍


時雨先生は不在、先生はわたしだけ、生徒も一人だけ。

二人っきりの保健室。

わたしはちらりとソファに視線をやった。

生徒用の椅子が空いているにも関わらず、馴染んだ雰囲気で座っている永夢くん。

永夢くんは目をキラキラさせてわたしに話しかける。

「オレ、実は今日で連続一か月学校に登校したんだよ!休みも遅刻もなしで」

「そうなんですね」

わたしは平坦な相槌を打つ。

永夢くんは嬉しそうに身を乗り出し、更に目を輝かせた。

「すごくないっ?早退もなしだよ?」

「そうですね、今まで一か月間さぼったりしなかったことが一回もなかったってことですね……それで、なんでしょうか」

軽く皮肉を交えて尋ねると、永夢くんはソファにごろんと寝転がった。

そのままわたしに向けて両手を伸ばす。

「誉めてっ」
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