第32章 妬みはその身の仇
「ひあっ……ふ、うう!はッ!」
時雨先生は息苦しそうに肩を震わせ、目元を痙攣気味に引きつらせる。
「はあ!あっ!ふうゥ……ッ!あぁっ……」
時雨先生の細首をこしょこしょと刺激し、白い項に片手を伸ばす。
もう片手は服の中に滑らせ、肉付きの薄い背にのたわせた。
時雨先生は逃げたそうに、背中を背もたれに押し付けようとたじろいだ。
「んっ、ひ、あ、丸木戸、やめっ……」
「やめません」
わたしは一斉に両手を動かし、くすぐり始めた。
「これっ、ああああっ!あ!ひ!」
時雨先生は悶え、辛そうに身体を震えさせる。
ひくっひくっと腹をよじり、口端を上下する。
「んっ……はっあ!っはは……!」
時雨先生の喉元から溢れる乾いた声、揺れる両肩。
「あ、時雨先生が笑った」
思わず口をついたわたしの言葉に、時雨先生の目に眼光が戻る。
「ふ……!丸木戸、お前ッ……!」
眉を吊り上げ、驚いた顔のわたしを睨めつけた。