第32章 妬みはその身の仇
わたしはそんな様に目を細め、時雨先生の首筋に五本の指先を触れさせた。
「ン……っうッ……!」
時雨先生はぴくぴくと身体を引きつらせる。
わたしは一旦手を止め、時雨先生を静かに見下ろす。
時雨先生の足先はビクビクと震え、お腹も僅かに引き攣っている。
「時雨先生、時雨先生が不機嫌な理由教えてもらえますか?やっぱり不愉快だったとか……」
時雨先生ははあっと息を衝き、わたしを睨んだ。
「だっから、そんなんじゃ……ねえっ、て……俺は、なんにも、思って……」
「そうですか、残念です」
わたしは指全体を時雨先生の骨ばった首筋に絡ませるように、皮膚の上でわしゃわしゃと動かした。
「んんッ!う、はぁッ!あ、あああぁ!っ、ひ!」
時雨先生は一気に背筋をのけぞらせる。
顔を歪め、顔を火照らせる。