• テキストサイズ

男子校の女王様。

第32章 妬みはその身の仇


「丸木戸、これ……っ!」

わたしは時雨先生の視線を一笑に附し、

「そんなに怒らないでくださいよ」

細い顎の下に手をやった。

「んっ!」

身動きできない時雨先生の顔を若干乱暴に持ち上げ、瞳をじっと見つめる。

「……時雨先生、わたしたちの間に隠し事はなしにしましょうよ、ね?」

時雨先生は表情をぞくっと強張らせ、怖じたように目線を逸らす。

わたしは笑みを携えたまま、時雨先生の肌に手のひら全体をゆっくりと押し付けた。

顎のラインに指を這わせ、顔周辺の薄い皮膚を指先で這いまわる。

「ふッあ、あぁッ……」

時雨先生はむず痒い感覚に身を逸らし、椅子を軋ませる。

時雨先生の頬、喉、耳の付け根、と敏感な箇所を指先で擦り、爪で辿る。

「は……っぁ」

つまむように、擦るように、全体を撫でまわす。

時雨先生の青みがかる程白い肌が色を持ち、うっすらと紅潮していく。

思うようにならない四肢を揺らし、

「っふ……ふうッ……」

息を荒くした。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp