第5章 逢うは別れの始め
わたしは呆気に取られながらも、自分の胸がざわめくのが分かった。
あまりにも偏執的なスキにどうしようもなく心が動く。
斗真先生はぴったりと頭を下げ、動かない。
拒否しようものならどうなるのかな、と苦笑いする。
「別に、教えてあげてもいいですよ」
「えッ……!」
斗真先生は弾かれたように顔を上げ、わたしを期待に満ちた目で見る。
わたしはそれを一笑に付す。
「でも、わたしはもうひとつ教えてあげたから……斗真先生もわたしにひとつ教えてください、斗真先生って」
跳び箱の上で足を組みかえると、斗真先生は分かりやすくわたしから視線を外す。
恥ずかしそうな表情が可愛らしくて、口角が上向きになる。
「いっつもどのくらいオナニーしてるんですか?」
「へ」
「そんなに興奮してるから、よっぽど溜まってるのかなって」
わたしが目線を落とすと、こくりと斗真先生の喉仏が動く。
「あ……」
「ね、今しながら答えてみてください」
斗真先生はびくんと肩を上下させ、動揺する。
後ろのドアを振り返り、懇願するようにわたしを仰ぎ見る。
「えっ、でも、そんなッ」
「ね」
わたしが微笑むと、斗真先生はそろそろとズボンに手を伸ばす。
ズボンを下ろすと、硬く芯を持った逸物が勢い良く飛び出した。