第5章 逢うは別れの始め
斗真先生は呆然としていた。
望む答えじゃなかったのかもしれない。
けど、これが真実だ。
わたしは黙って斗真先生の次の動きを待っていると、あることに気がついた。
「なんで興奮してるんですか」
射抜かれたようにわたしを見上げている斗真先生にくすりと笑う。
斗真先生の両足の付け根部分の布はパンパンに膨らんでいる。
下着の中で陰茎は完全に勃ち上がり、大きく主張する。
斗真先生はカアッと顔を染め上げた。
「え……あっ!?なんで、えっ!?あッあのすみません!これはその!違っ」
わたしは斗真先生の顔を上から見つめる。
「違うんですか?」
斗真先生は目を見開く。
静かに首を振った。
「……違わ、ない……です」
ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「おれ、まだよくわかんないんすけどッ……」
床に手をつき、
「丸木戸先生のこと、全部知りたいです!」
がばっと頭を下げた。
頭頂部が床に着くんじゃないか、と思うほどの見事な土下座で斗真先生は叫んだ。
「可愛いとこも、ちょっと怖いとこも、おれ、好きだから!おれにっ!全部、教えて下さい!」