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男子校の女王様。

第31章 猫に鰹節


時雨は顔を顰め、おれから後ずさる。

『何、その……え、俺に恥ずかしがってんの?きっもちわるっ……』

おれは慌てて言い返す。

『いや時雨に恥ずかしがってるとかじゃないけど!そ、それに時雨もおれの裸見たくないだろ!?』

『見たくねえよ!』

おれは声を張って、押し通す。

『とにかくさ、着替え終わったら呼ぶから!悪いけどちょっとだけ、頼む!』

『なんなんだよ、お前……一応おれ仕事中なんだから、そもそも雑談なら休みの日に言えっつの……』

時雨はぶつくさと文句を言いながら出ていった。

おれは時雨が保健室の外に出たことを確認し、濡れた服に手をかけた。



「そ、そのですね……えっと……あの……おれ、時雨に!ちょっと用事があって来たんすよ!」

斗真先生はあわあわしながら、わたしに懸命に弁解する。

その時雨先生はいないんですか、の言葉を飲み込む。

わたしはとりあえず頷いた。
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