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男子校の女王様。

第29章 藪をつついて蛇を出す


サヘルくんは縮こまって椅子に座り、俯いている。

わたしはキイッと椅子を軋ませ、サヘルくんに向き直る。

「……性の悩みは離婚の原因になったりするみたいですし、深刻な問題ですよね」

サヘルくんが浅く首を縦に振る。

「要は刺激に敏感で射精を我慢するのが難しい訳ですね。改善するには専用の道具を使ったりすることもありますね、基本的には長期間のトレーニングで改善すると言われてます」

「はあ……」

「でもわたしはオススメしない、って言うか……一番の理由として年齢の若さがあると思うし、個人的には今のうちからそんなことしなくてもいいと思うんですよね」

サヘルくんは身体を強ばらせて、背を丸める。

わたしは苦笑いした。

「でも本人にとっての悩みなら、外野がとやかく言うことじゃないですよね」

言葉を短く切り、

「それに対人で、尚且つわたしの為に……って言うんですから」

目線を投げる。

サヘルくんはぴくっと肩を揺らした。

「現実的な解決策としては前戯を長くして相手を満足させてやればいいと思うんですよね」

わたしは腰を上げ、サヘルくんに耳打ちした。

「わたしが満足するまで、我慢出来ますか?」

「……は……はい、紗都せんせい……」

サヘルくんは掠れ声でそう言い、深く頷いた。

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