• テキストサイズ

男子校の女王様。

第29章 藪をつついて蛇を出す


「でも、なんで早漏を治したいんですか?彼女に何か言われた経験があるとか」

「つ、付き合ってる人なんてずっといませんっ」

サヘルは早口に否定する。

その声は僅かに熱っぽい。

自分の恥ずかしい部分を暴かれる昂奮と悦に浸ったような。

鼓動が早まる。

丸木戸がサヘルと……。

他の男を攻める情景が頭の中に浮かんで、肌がぞわつく。

初めて丸木戸の嗜虐的な一面を見た時、あの時も俺はカメラ越しで。

理想の女性が俺以外に目を向けて、与える姿に焦がれて、羨望と嫉妬が胸を渦巻いて。

堪らない興奮を覚えていた。

口端が上がり、激しく胸を打つ心臓を押さえる。

サヘルは間隔をあけて、呟いた。

「紗都せんせいに、ぼくでもっと遊んで欲しいから……」

全身に鳥肌が立った。

「わたしは全然気にしませんけど……」

丸木戸の言葉を待ちながら、荒くなっていく息遣いを感じる。

本能に任せた欲望と独占欲に裏付けられた切望。

様々な願望に支配された生々しい感覚で胸が詰まりそうだ。

「サヘルくん、放課後時間ありますか?」

「はッはいっ!」

俺は生唾を呑む。

錯綜した期待が俺の全身を包み込んでいた。

/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp