第26章 三十六計逃げるに如かず
「お、おれだけ服脱ぐの、なんか恥ずかしいっす……」
わたしが可愛い、と微笑むと更に顔を上気させて俯ける。
斗真先生はそろそろと全裸のまま、床に四つん這いになった。
わたしは斗真先生の硬くしまった背中に跨り、太ももで挟み込む。
斗真先生の腰にぴたりと下腹を押し付け、
「ん、ンっ……」
体重を預けた。
斗真先生はピク、と身体を揺らす。
はーっはーっと熱い息を散らしている。
興奮が滲み出るその様子に、わたしは笑みを浮かべる。
「ほら、お馬さんはどうするんですか?」
「う……っ」
斗真先生はぺたぺたと歩き出した。
想定外な程、軽快な歩み。
わたしは目の下の斗真先生に問いかける。
「……重くないんですか?」
斗真先生は顔を上げて大きく首を振り、
「え?いや、全然っすよ!重いなんて!余裕っす」
何故か嬉しそうに断言する。
相当キツいはずなんだけど……。
わたしは軽く息を吐き、パドルを握る。