第24章 産屋の風邪は一生つく
✱
ある日の昼休み、クラスメイトに捕まったオレは一緒にご飯を食べていた。
オレは適当な愛想笑いを浮かべ、話を盛り上げる。
悪口とか、噂話とか、どうでもいい話に茶々を入れたり笑い声を上げて繋ぐ。
オレの言ったことでみんなが笑う。
みんなの言ったことでオレは笑えない。
唾を飛ばしながら、表情をぐるぐる変えて、夢中で話し込むみんなを他人事みたいに見つめる。
……多分楽しい話してるんだろうな。
オレは紙パックのいちごミルクから伸びるストローを軽く噛んだ。
『そー言えば、新しい保健室の先生結構可愛くね?』
オレはそいつの一言にハッと顔を上げた。